神社本庁の持つ役割

最終更新日 2024年4月2日 by michidoo

「神社本庁って何?」
「神社本庁と神社庁って何が違うの?」
「神社本庁の歴史や役割について知りたい」

普段何気なくお参りをしている神社ですが、近年は若い人を中心に日本各地の寺社仏閣で御朱印を頂く「御朱印集め」が人気を集めているため、色々な場所に参拝しに行くという方が増えてきています。
せっかく参拝をするならその神社のことをもっと詳しく知りたいという方も少なくないので、今回は神社本庁の持つ役割について詳しく紹介していきます。

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神社庁 – Wikipedia

そもそも神社本庁とは

そもそも神社本庁とは、戦後占領軍により神祇院が解体された後国家から分離させられバラバラの状態にあった神社を再度まとめるために組織されており、設立される際には大日本神祇会・神宮奉斎会・皇典講究所という3つの民間団体が国が元々行っていた事務を継承しています。
これは国から出る補助金の金額を決めるためであり、補助金自体は年間で数万円ほどです。
占領軍は戦争中日本が東アジアの小国ながら、凄まじい抵抗を見せた強さの一因に日本固有の信仰であった神道にみる精神性があると考え、日本から神社を解体しようとします。
しかし神社の神職たちはこのやり方に大きく反発し、戦後も神社を維持し文化を守るためにも、民間宗教という枠組みを作り、一致団結して生き延びるために神社本庁を組織した歴史があります。

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神社本庁という組織が誕生した理由

基本的に全国の神社や八百万の神には、どこが総本山で1番という信仰はなく、神社が祀っている様々な神を尊重し緩やかな共同体とするために神社本庁という組織が誕生したといわれています。
本来は国が主体となり神社という日本の信仰や文化を守ることが理想的ではありますが、戦後は占領軍がそれを許さなかったことで、神社が一宗教で一種の信仰という形として民間団体となりました。
このように占領軍の強権の中で生き残るための組織として現在も続いています。
神社本庁には名前に庁がついているため、官公庁の1つだと勘違いされやすいですが、実際は宗教法人に基づく文部科学大臣管轄の包括宗教法人という立ち位置です。
この組織に属している神社から総意を得て運営されているので、この組織自体に大きな権力はなく大きな組合のようなものをイメージすると理解しやすいです。
普段人々の生活の中には、多くの会員組織が存在しており地域の自治会や管理組合、経団連なども会員組織に含まれています。

神社本庁は包括宗教法人となっている

また全日本仏教会や日本キリスト教連合会などもこれらの組織に含まれており、それぞれの組織における啓蒙活動をはじめ、トラブルの解決や行政に対するロビー活動などが主な取り組みです。
組織の中には法人化されているところもあり、神社本庁の場合には神道の普及と発展を目的とした積極的な取り組みを行う組織となるので、他との差や違いはそこまで大きくなく、包括宗教法人となっている点のみが大きな違いといえます。
組織の中には活動の推奨や育成、助成を行う指定団体が存在しており、神社の奉仕に参加する婦人会の全国的な組織である全国敬神婦人連合会や、若手の神職で構成される全国的な組織である神道青年全国協議会、神社を母体をする保育施設のサポートや研鑽を目的とする団体である全国神社保育団体連合会、教職員を兼業している神職のサポートや研鑽を目的とする団体である全国教育関係神職協議会といった、様々な団体があります。

神社庁とは

似たような組織として神社庁がありますが、神社庁はそれぞれの都道府県に設置されている地方機関となります。
この神社庁で行われている活動は主に、それぞれの都道府県にある神社の事務や神職の指導、祭祀・地域活動の振興を図っており、地域の神社の広報窓口なども担っています。
この事務所が設置される場所は、それぞれの都道府県における規模が比較的大きい神社の境内もしくは、隣接する土地と決められました。
この神社庁には支部も設置されており、都道府県内の複数の地区に分かれて地区ごとに1つずつ設置されている特徴があります。

組織に属していない単立宗教法人も存在している

また日本にある神社の中には、組織に属していない単立宗教法人も存在しています。
例えば靖国神社や金刀比羅宮、日光東照宮や伏見稲荷大社など日本国内にある知名度の高い神社も組織に属していないケースがあり、属さない場合は単立宗教法人として運営されます。
単立宗教法人といっても規模が大きいところは、およそ2,000社もあり小さい祠なども含めてみるとその数は20万社にものぼります。
現在組織として行われている取り組みには、現在の日本における少子高齢化や一部地域の過疎化などの社会情勢に伴い、40年にわたって色々な施策を実施してきました。
例えば2016年には過疎地域神社活性化推進委員会を立ち上げたことで、神社の活性化を目的とした活動を始めています。
実際に行っている取り組みとして、各地域の祭礼行事や催し・イベント、伝統文化の継承に広報活動などを積極的にお行います。

まとめ

この他にも境内の整備事業や外部団体との連携など多岐にわたる取り組みを行うことで、地域の皆さんに神社の存在をより身近に感じてもらおうと考えてます。