幸せホルモンの「オキシトシン」

最終更新日 2024年4月2日 by michidoo

ストレスを軽減し幸福感を与えるホルモンのオキシトシン

オキシトシンとは人の体内で分泌されているホルモンで、幸せホルモンや愛情ホルモンと呼ばれています。

なぜそのように呼ばれているのかというと、オキシトシンにはストレスを軽減して多幸感を与えてくれる働きがあるからです。

女性の出産時にも欠かせないホルモンで、子宮を収縮させて分娩を促したり授乳時に母乳の分泌を促したりする作用があります。

日本では子宮収縮作用があることから陣痛促進剤としても用いられます。

そのため出産や子育てには必要不可欠な物質です。脳の視床下部という部位で生合成され、下垂体後葉という部位から分泌されています。

女性だけに分泌されるのかというとそうではなく、性別や年齢に関係なく分泌されていることが研究によって分かってきました。

男性の脳内でも分泌されていますし、子供やお年寄りの脳内でも分泌されています。

不足してしまうと、他人とのコミュニケーションが上手くいかなかったり他人の気持ちを想像しづらかったりと色々な弊害が起こりやすくなります。

そのせいで友人ができにくかったり、学校や職場などでトラブルに発展することもあるようです。

オキシトシンによって幸福感が得られるというのであれば、分泌をできるだけ促したいと考えると思います。

どうやって分泌を活発にしたらよいのでしょうか。

一番簡単な方法は、触れ合ったりスキンシップをとったりすることとされています。

人と触れ合うこと以外でも、家族団らんや電話などでも効果がある

幸せホルモンは、人と触れ合うことで分泌が促されます。

お母さんが赤ちゃんを抱っこすると、幸せを感じるのはそのためです。

また、赤ちゃんを抱っこしたりお世話する際に触れ合ったりすることで、母乳の出も良くなります。

赤ちゃんの方でも、お母さんに抱っこされていると安心するのです。

また、恋人同士や夫婦の触れ合いでもホルモンは分泌が促されます。

お互いに触れるのを心地良いと感じれば、ホルモンが分泌されている証です。

キスをしたりハグをすることもホルモンの分泌を促します。

パートナーとの信頼関係や絆を作る上で欠かせない物質といえます。

では、特定の恋人や配偶者がいないといった場合にはどうすればいいのでしょうか。

日本では欧米と違って、親子や兄弟、友達とハグをしたり触れ合ったりする習慣はありません。

そのためなかなか体に触れるということはしないものです。

しかし、オキシトシンは普通に家族で団らんしていたり、お喋りをするといったことでも分泌されます。

直接、面と向かって話をするだけではなく電話などでも効果があります。

家族で食卓を一緒に囲むようにするだけでも大丈夫です。

友人関係を円滑にしたり、コミュニケーションを良くしたりするのにも欠かせません。

積極的に人と触れ合うようにし、マッサージなどでリラックスする事が大事

最近、幸せだとあまり感じていないという人は、積極的に人と触れ合うようにすると幸せを感じることもあります。

また、感動する映画を見たり小説を読んだりすることでも分泌されると言われています。

悲しい映画を見て泣いてしまったという経験を持っている人も多いと思いますが、人は泣くとストレスが減少するのです。

笑いも同様で、面白いテレビ番組を見て笑った後には人はリラックスしています。

泣いたり、笑ったり感情を表に出すことは人の心の健康に繋がります。

それからエステサロンやマッサージなどの施術を受けることでもスキンシップと同様の効果があると言われています。

エステティシャンやマッサージ師に体を触れられていると、心地良くてついウトウトしてしまうという人も多いのではないでしょうか。

人が眠くなるのは、ストレスがかかっておらずリラックスしている証拠です。

そのためエステやマッサージには、リラクゼーション効果も期待できます。

疲れていると感じた時などには、エステやマッサージの施術を受けるといいかもしれません。

ペットと触れ合う事でも効果があるが攻撃性を高めてしまうデメリットもある

そして、オキシトシンが分泌されるのは人同士の触れ合いには限ったことではないのです。

犬や猫などペットとのスキンシップでも分泌されます。

アニマルセラピーという動物を使ったセラピーもあるように、動物と触れ合うことでストレスが緩和されるのです。

ペットとの触れ合いは人の心に安らぎや癒しを与えてくれます。

犬や猫を撫でることで、うつ病になるリスクが下がるという研究データもあります。

住宅事情や仕事状況などでペットが飼えないという時には、動物と触れ合える猫カフェなどに足を運んでみてもいいかもしれません。

オキシトシンは多幸感を与えてくれるホルモンですが、実はデメリットもあります。

愛情を深くしてくれる働きに加えて、攻撃性も高めてしまうホルモンでもあると言われています。

出産後、配偶者に対してイライラすることが多くなる女性も多いのではないでしょうか。

特に出産直後は、子供を守らなければいけないという意識が芽生えるため自然に攻撃性が高くなってしまいます。

夫婦二人の時は喧嘩をすることがほとんどなかったのに、子供を産んでからよく喧嘩をするようになったということもあります。